子どもが欲しいと考え過ぎると妊娠できないと聞いたことはありませんか?もし、あなたのどこかに「子どもが産めなければ絶対に不幸になる」という意識があれば要注意です。夢は強すぎると執着となります。執着は自分自身のストレスになり、いろいろな支障をきたします。ただ、執着を手放すのはとても難しいと感じている人は多いのではないでしょうか。ここでは、執着を手放せたのはどんな時か、手放せた先の人生はどうなるのかについて、筆者の体験を交えてお伝えしたいと思います。
欲しいと思い過ぎたらできない?分かっているけど…
「赤ちゃんが欲しいと強く思い過ぎたら妊娠できない」とか「諦めたら妊娠する」「不妊治療をやめたら授かった」とか、耳にすることが多いのですが、それについてどう思いますか?私はそういうアドバイスを聞くと、そんな簡単に言わないでよ…と思ってとてもイラついていました。子どもが欲しい気持ちが軽かったら、今こんなに苦労はしていません。
私はほぼ四六時中、「早く赤ちゃんが欲しい」「できなかったらどうしよう」と考えていました。いつも焦りと不安、悲しみが頭の中をぐるぐるしていました。それがストレスになっていることには気づいていましたし、ストレスが妊娠を遠ざけるということも重々承知していながらも、感情・思考をコントロールすることはできませんでした。
諦める時が来たことにより変わったこと
体外受精を何度しても陰性ばかり、やっと陽性が出たけど流産という経験を何度か繰り返してますます妊娠が難しくなると言われる年齢にさしかかった頃、自分の中で諦めという思考が顔をのぞかせ始めました。精神はぼろぼろでした。心は重く、どうしても辿り着きたくなかった境地についに来てしまったと思いました。
辛い心境でしたが、同時に少し解放感もありました。諦めたことで、やっと執着や恐れを手放すことができたのです。ぼろぼろの精神状態だったのが、少し楽になりました。何にも夢中になれない日々が何年も続いていたのに、楽しいことやわくわくすることが増えてきました。
諦めた時にやっと心が穏やかになるなんて皮肉なものです。でも想像していたほど悲観はしていません。願いが叶うのと同じくらいに、手放せたことが価値のある経験だと自分で認めているからでしょう。
諦めても不幸にはならない
おそらくここまで読んでくださっている方は、諦めたくても諦められない人がほとんどだと思います。自分が治療をやめたら授かる見込みがないから頑張るしかないという現実は、確かにあります。そういう場合は、諦めるのを諦めていいと思います。「私は諦めきれないのだから仕方ない」と割り切ってOKです。
強い思いであればあるほど、簡単に諦められるものではありませんよね。あなたは何も悪くありません。
それでも、いずれ自然とやってくるかもしれない「諦める時期」のことを、どうか恐れないでください。悲しい思いはしますが、長かったトンネルを抜けてやっと次のフェーズに進めます。
次のフェーズに進むということは、「乗り越えた」ということです。乗り越えた先にあるのは暗い現実ではなく、赤ちゃんを産んだかどうかに左右されない世界です。「今」を楽しめる明るい世界です。あなたの人生、不幸にはならないから大丈夫です。
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